観光業界の最前線を反映、ツーリズムEXPOジャパン2016
熊本、フランスの「いま」を発信
今年の新しい企画の一つが、デスティネーションサポート企画「We Act for…」だ。自然災害、国際紛争・テロ災害等は、観光消費の減退や交流人口減退へつながり、経済全体をマイナス成長させる要因となる。多くの業界関係者、国民を動員する「ツーリズムEXPOジャパン」において、課題を抱える「世界の国々と日本の地域」の「いま」をしっかり見せることで、来場者の意識に働きかけ、行動を喚起する契機を創出する企画である。今年の対象は熊本県とフランスだった。
参加者がピースにメッセージを書き入れる
熊本県は今年4月の熊本地震からの観光復興に取り組んでいる。「レゴ®ブロックで応援 熊本城」では、レゴ®認定プロビルダーの三井淳平さんがレゴ®ブロックで製作した熊本城が会場に展示された。チャリティ企画として、来場者が1ピースを100円で寄附購入し、メッセージを書き込んだものを使い、城の展示台部分を作成した。会場では多くの人が企画に協力して購入し、三井さんはメッセージの書かれたピースを使ってその場で展示台を作成し始めていた。完成後、11月10日に熊本市に寄贈され、現在は熊本城近くの観光施設「桜の馬場城彩苑」内の歴史文化体験施設「湧々座」(わくわくざ)に展示されている。
レゴ®ブロックでつくられた熊本城。後ろは展示台をつくる三井淳平さん
パリだけでない魅力、フランス写真展
また、パリ同時多発テロからの観光復興を願って、フランス新進気鋭の写真家が撮影したフランス地方都市などの写真が展示され、パリだけではないフランスの魅力を来場者に伝えていた。
スポーツも旅行も楽しめる社会に
今年のツーリズムEXPOジャパンでは、第2回「ジャパン・ツーリズム・アワード」での受賞やグローバル観光フォーラムでの言及など、ユニバーサルツーリズム(アクセシブルツーリズム)の話題が繰り返し取り上げられた。
誰もがスポーツも旅行も楽しめる社会を目指し、今年の新企画として「 “ i enjoy !” パラスポーツパーク」がオープンした。リオデジャネイロパラリンピックでも話題となったボッチャや射撃、車いすバスケットボール、陸上競技用車いすなどが体験できるものだ。子どもから大人まで多くの人が、パラリンピック出場者や、日本財団パラリンピックサポートセンターのスタッフに教わりながら挑戦。うまくいったり、思ったようにできなかったり、家族や友人たちと共に、歓声をあげながら初めての体験を楽しむ姿が見られた。
パラリンピックでも話題、ボッチャに挑戦
車いすバスケットボール用の車いすを体験
ビームライフル射撃体験
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