「まちおこしゲリラ集団あおぞら組」「津軽海峡マグロ女子会」 笑いと元気で津軽海峡エリアを盛り上げる島康子さん

島康子Yプロジェクト株式会社

2017.02.20青森県

おもしろがりながら大間ファンを生み出す

 島さんが大間町で一生暮らすと決めたころ、大間町がNHK連続テレビ小説『私の青空』の舞台に決定したという朗報が舞い込んだ。

:大間が全国区になるチャンスを生かして「自分たちのアイデアで、おもしろいと思うことを、自分たちの力で形にしていこう」という気持ちになりました。その後、大間をおもしろくしたいという気持ちを持つ幼なじみや後輩、友人たち6人が集まって「まちおこしゲリラ集団あおぞら組」を結成しました。

 まずはあおぞら組のホームページを開設して、『私の青空』のロケ地情報や裏話などを目玉にしつつ、活動の様子や大間町の魅力を発信していった。

 そして、『私の青空』の放送が開始した2000年のお盆に、大間に来るフェリー客を出迎える「旗振りウェルカム活動」をスタートさせた。「よーぐ来たのー!」と叫びながらフェリー客に向けて大漁旗を振るという活動で、『私の青空』で印象的なシーンを島さんがアレンジして1度やってみようと始めると、フェリー客は大喜びだった。

「まちおこしゲリラ集団あおぞら組」「津軽海峡マグロ女子会」 笑いと元気で津軽海峡エリアを盛り上げる島康子さん
「よぐ来たのー」と叫びながら大漁旗を振り、大間に来るフェリー客を出迎える

:情報発信、まちおこし活動の次は、まちを人に自慢できて、大間と人のつながりを生み出す商品開発に着手しました。本当はマグロのお菓子を作りたかったけれど、技術が難しくて挫折しました。そこで、まちの自慢をプリントしたTシャツであれば、着るだけでまちの自慢ができるという発想から、マグロのロゴが入った「マグロ一筋テーシャッツ」を作りました(※大間ではTシャツをテーシャッツという)。

 テーシャッツは、マグロやウニ漁師、高校生、消防隊員など町内の人に着用してもらった。町民にモデルとなってもらって、ポスターやチラシを作成する「町民スター化大作戦」などを行った。

 島さんは、商品を売って儲けたいというよりも、まちを自慢しやすくするためのツールが欲しいという思いで商品開発を行ったが、2004年のアテネオリンピックで思いがけないことが起こった。柔道日本代表で出場した大間町出身の泉浩選手の応援団がアテネで「マグロ一筋テーシャッツ」を着ていたことがテレビで放送され、「マグロ一筋テーシャッツ」が大ヒット商品となった。

「まちおこしゲリラ集団あおぞら組」「津軽海峡マグロ女子会」 笑いと元気で津軽海峡エリアを盛り上げる島康子さん
「毛」ではなく津軽海峡で獲れるノナ(ウニ)を右脇だけにプリント 

 このことが後押しとなって鯉のぼりのマグロ版「マグロのぼり」や、マグロ漁師が実際に使用していた大漁旗をバッグやハンチングなどに再生した「大漁だべさグッズ」、脇の下にウニをプリントした「ノナ(ウニ)テーシャッツ」などの新商品を次々と開発していった。

 商品はパンチの効いた笑えるデザインが特徴である。例えばマグロやウニのプリントがふんどしの中央や脇の下にあるため、思わず二度見してしまう。

:ユニークなデザインにしたのは、私たちだけでなく、町民にもおもしろがってまちの自慢を発信してもらいたかったからです。また、商品をきっかけに大間のファンとなってもらいたかったので、例えば「大漁だべさグッズ」の商品にはQRコードを付けて、大漁旗を提供した漁師の情報が見られるようになっています。

 商品は順調に売り上げを伸ばし、収益事業が膨らんだため、島さんとメンバーの中の2人で有限責任事業組合(LLP)を立ち上げた。しかし島さんは、このままで良いのかと悩んでいた。

:今後を考えるとまちの元気をつくり出しながら、自分たちも食べていけるという活動を若い世代につなげたいという思いもありました。そこで、私が社長になると腹をくくり、あおぞら組の収益部門を法人化した「Yプロジェクト株式会社」を2013年4月に設立しました。

 地域の特産品を生かした商品開発・販売に加え、島さんは地域限定旅行業に乗り出し、ツアーを造成して、地域にお金が落ちるビジネスづくりに挑戦していく。

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