「信長公のおもてなし」が息づく戦国城下町・岐阜 日本遺産の活用を目指す岐阜市
ストーリーを目に見える形に
居館跡発掘調査現場。柵越しに見学できる
市では5月に、補助事業の母体ともなる「日本遺産「信長公のおもてなし」岐阜市推進協議会」を立ち上げ、さっそく今年度事業の申請を行った。その最も大きいものが、2年にわたって行われるVR事業だ。最新の調査結果をもとに山麓の居館をバーチャルに再現し、現地でガイドがタブレットを使って見せたり、映像として上映したりすることが計画されている。
小森:「2017年に向けて、市外から岐阜市を訪れてもらえるようにしたいのですが、市内には、見て信長を感じられるようなものがあまりありません。発掘現場も、歴史に詳しくない一般の人には何もないように見えるのではないでしょうか。もう少し視覚的に信長を感じてもらいたいと考えました」
そのほか情報発信にも力を入れ、説明看板やまちあるきガイドブックをつくる構想もある。
高橋:「市民と観光客の両方にPRして、市外から来てみたいと思わせたいです。文化財をただ紹介しても堅い話になるので、楽しんでいるうちに日本遺産を知ることができるものにしたいですね。市民の皆さんにも、まちの歴史に誇りを持ってもらえればと思います」
市民の理解について市教育委員会社会教育課の桑原真里さんも、「市民全員がまちの歴史を話せる、まちが好きで誇りに思うことが大事」と話す。
桑原:「今でも市民の皆さんは、市外から知り合いが遊びに来ると、信長がやっていたのと同じように、鵜飼観覧船に乗せたり、岐阜城や金華山に連れていったりしてもてなしています。金華山しか連れていくところがないと思っていたかもしれませんが、昔から続いてきたのは、それだけすごいものだからなのです」
市では日本遺産への理解を深めるため、のぼりを市内各所に立てて認知度向上を図っているほか、岐阜公園や市歴史博物館で活動するボランティアガイドに向けた講演なども行っている。
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