地域資源の観光資源化について

佐藤真一(株)バリュー・クリエーション・サービス代表取締役/(株)リクルート じゃらんリサーチセンター客員研究員

2011.12.01

 全国の観光地が「着地型観光」というスタイルを確立すべく、様々な体験型プログラムやご当地グルメの開発などに着手しており、そのプロセスにおいて「地域資源の観光資源化」に力を注いでいます。

 「地域資源の観光資源化」を成功に導くには、地域の方々の“お宝”である地域資源群の中から観光客にとって“光”となる観光資源を見つけ出すことが重要です。そのためには、地域資源群を“カスタマー視点×メディア視点”で仕分けすることが必要であり、これより観光資源として認定された地域資源のみが真の“お宝”となり得ます。

 これを機能的に行うマーケティング手法として(株)リクルートのじゃらんリサーチセンターが開発した「GAP調査」を紹介します。

 この調査は、対象地域の地域資源群を「期待度×満足度」の2軸で評価、「認知度×関心度」の2軸で評価することで、現在のヒーロー資源と将来のヒーロー資源を発見することができるというのが最大の特徴です。現在、多くの自治体から調査委託を依頼されており、中には観光基本計画作成の段階から活用するところも出始めています。

 さて、「地域資源の観光資源化」を成功に導くには、上記のフェーズに加え、“観光客を動かす2つの行動ソフト”が必要となります。1つは「情報」であり、もう1つが「サービス」です。どんなに評価が高い地域資源も人々に「情報」として伝わり、その価値を“認知”されなければ全く意味をなしません。

 「着地型観光を長年やってきたが上手くいかない」という地域の多くが、「情報」という行動ソフトを使いこなせておらず、「いい商品」が「売れる商品」にならないというジレンマに陥っています。地域資源は“人の力”によって“情報化”しない限り、観光資源として活躍できないのです。「サービス」については、“期待を満足に変える”際にとても重要なファクターとなります。商品の価値に「サービス」という付加価値が上乗せされてこそ、期待以上の満足を与えることが可能となります。

 「地域資源の観光資源化」とは、地域資源をマーケティングにより価値査定し、ストーリーティング(物語化)により“情報+サービス”の付加価値化を実現することに他なりません。「着地型観光」に行き詰まっている方々は今一度、自らの地域を「地域資源の観光資源化」というフィルターを通して再確認することをお勧めします。

著者プロフィール

佐藤真一

佐藤真一(株)バリュー・クリエーション・サービス代表取締役/(株)リクルート じゃらんリサーチセンター客員研究員

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