ゲストハウスから始まるもてなしのまち ゲストハウス「蔵」(長野県須坂市)
市の職員を通じ地元の協力者と出会う
1階には山上さんの母親が経営するカフェを併設
山上さんは修業と並行して開業の準備を進め、物件を探した。
山上:最初は長野駅周辺での開業も考えて探していました。でも「まちと一緒にやる宿」をと考え始めたとき、長野駅周辺では「一緒にやる」まちの人たちの顔が浮かばなかったんです。地元須坂はイメージがわきました。
「地域融合型ゲストハウス」「まちと一緒にやる宿」とは、宿場JAPANが目指している宿の形だ。地域と共に立ち上げ、人を迎える宿。つまり、ゲストハウスに宿泊して、食事や買い物などをまちの中で行い、まち全体でゲストをもてなすことができるような、まちと一体になった宿のことだ。
ただし、山上さんは高校卒業後に須坂を離れていたため、頼りになる知り合いが多くいたわけではない。
山上:市役所のまちづくり課や商業観光課で、やりたいことをプレゼンしました。協力してくれそうな人を紹介してほしいと話したところ、熱心な職員の方が紹介してくださった方が、今もいちばんの協力者です。須坂でさまざまな活動をされている方で、物件探しや建物のリノベーションにも協力してもらいました。今も人材を紹介してもらい、悩み相談にも乗ってもらいます。
その方からどんどん他の人へとつながっていったときには、地元というのは心強いと思いました。
ゲストハウス蔵の看板
この協力メンバーが中心となり、2012年5月に「須坂景観づくりの会」を立ち上げた。メンバーの多くが30代で、山上さんも理事の一人だ。会では、通りを黒板壁と黒格子戸の統一された景観にする、小学生が須坂を知る授業を行うなどの活動をしている。
約1年探した末に物件が決まり、リノベーションなど準備を進めて、2012年10月に「ゲストハウス蔵」がオープンした。
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