札幌市のMICE促進に関する総合戦略(観光政策)

市岡浩子札幌国際大学観光学部観光経済学科教授

2013.03.01北海道

MICE促進に積極的に取り組んできた札幌市

 小泉政権の「観光立国宣言」に伴うVJC事業(※1)の一環として、海外からの集客力が絶大なMICE(※2)ビジネスの促進は観光庁も力を入れているところであり、観光庁は2010年をMICE Yearとして位置づけ、同年は種々のプロモーション活動が展開された。

 しかしながら、MICEビジネスに関する認知度や理解度は依然低いというのが現状である。

 そうした中、筆者が在住する札幌市は、MICEビジネスの重要性を重視し、2010年11月に「札幌MICE総合戦略」を発表し、札幌市におけるMICEの現状と今後5年間の方向性を示している。今回は、その概要と要点を示し、MICE推進の要点と今後の課題などについて考察したい。

 1972年に冬季オリンピックを開催した札幌市は、MICE促進については早くから積極的に取り組んできた。1988年に策定された「第3次長期総合計画」では、「コンベンション都市」が21世紀の札幌の目指すべき都市像の一つとして明記されている。

 この目標達成の基盤として、1991年にコンベンションビューロー(現 公益財団法人 札幌国際プラザ)が創設され、MICE受入の整備を図るとともに、2003年には公設の札幌コンベンションセンターを開業している。

 こうした施設整備の成果として、APEC貿易担当大臣会合や国連軍縮会議をはじめとした政府系の国際会議に加え、国際会議誘致数全国7位の実績を残している。

※1 VJC事業…訪日旅行促進事業(ビジット・ジャパン事業)
※2 MICE…企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のこと。多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。

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