ダムカレーからダムツーリズムへ ダムカレーの火付け役・宮島咲さんに聞く
進みはじめたダムツーリズム
ダムマニアサイト
――ダムカレーと観光の接点は。
宮島:なにが正統かということを争うより、とにかくダムの近くにあるすべての飲食店にダムカレーを「造って」ほしいと考えています。そうすればもっとお客様を呼べるようになり、その地域が活性化するのです。
ダムカレーを地域おこしの材料としてほしいと思っています。近年は地域の方からプロデュースを依頼されることもあり、お手伝いさせていただいています。すでにダムカレーの食べ歩きをしているファンの方たちも増えてきました。
「ここには何もない」と言っているより、ダムがあり、ダムカレーがあれば地域が活性化できるのだということをPRし、示していきたいと思っています。 まだ地元ではダムが観光資源になると考えていない方も多いですが、私たちの活動を見て気づき、変わっていくこともあります。近年はようやくダムの良さが広く認識され、たくさんの方が見学や観光に訪れてくれるようになりました。その典型的な現れとして、旅行会社がダムを観光資源として認めるようになり、今年はダムを巡るツアーが急増しています。
また、今年は「ダムツーリズム」という言葉も定着してきました。この秋に全国で開催されるダムツアーは、私が知っている範囲でも15件近くあります。私が企画に参加させていただいた、新潟県が開催する予定の魚沼ダムめぐりは定員40名に対し、募集3秒で売り切れとなったそうです。
このツアーの昼食にもダムカレーを用意しました。ダムカードやダムカレーが、ダム観光の楽しみを増やしています。ラーメン好きが各地のご当地ラーメンを巡って歩くように、ダムカレーも地域の観光と密接に結びつくことができるのです。
(インタビュー・文/太田正人)
*ミニ情報* 黒部ダムはアルペンルートの一部でもあるため、毎年膨大な観光客が訪れますが、これを別とすれば、東京周辺では神奈川県の宮ヶ瀬ダムがお勧めです。堤高156mの重力式コンクリートダムは見ごたえたっぷりで、中も見学でき、観光放流も多く行われています。また、直下流には広大な県立あいかわ公園があり、たっぷり一日遊べる環境が整備されており、都心から日帰りで本格的なダムを堪能できます。
■取材対象者プロフィール
「割烹 三州家」5代目(ダム事業部長)。ウェブサイト「ダムマニア」主宰。
著書に『ダムマニア』(オーム社)、『ダムカード全集』『ダムを愛する者たちへ』(スモール出版)。
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