ダムカレーからダムツーリズムへ  ダムカレーの火付け役・宮島咲さんに聞く

宮島咲日本ダムカレー協会主宰

2015.10.19

ダムカレーの火付け役に

――ダムカレーはどうやって生まれたか。どんなポテンシャルがあると考えているか。

宮島:私の家は東京の下町で割烹料理店を長く続けており、現在はファミリーレストランも併設しています。そこでまかないでカレーを出したのですが、店にあるどんぶりを使えばダムのようなカレーができるはずと、ふと思いついたのです。

 ブレイクのきっかけは、2007年に新聞の取材があり、私がこの「ダムカレー」を公表したことでした。それが評判となりテレビや雑誌などたくさんのメディアが来るようになり、現在に至っています。

 それ以前にも黒部ダム周辺では昭和40年ころから「アーチカレー」という名称で出している店がありました。その店も2009年に「黒部ダムカレー」に名称を変更し、ダムカレーを出す店の仲間入りをしました。

井上よしひさ氏の「ダムマンガ」 画像提供:少年画報社
井上よしひさ氏の「ダムマンガ」 画像提供:少年画報社

 また、井上よしひさ氏の「ダムマンガ」(少年画報社)も人気もあり、ダムブームを大きく後押ししていますね。

 ダムカレーが多くの方にダムの良さや楽しさを知っていただく大きなツールになるとわかり、少しでも多くの方たちに広めたいと考え、さまざまなプランを作るようになりました。

進化するダムカレーたち

ダムカレー展示 画像提供:日本ダムカレー協会
ダムカレー展示 画像提供:日本ダムカレー協会

――ダムカレーはこれからどのように広がっていくと考えるか。

宮島:私が呼びかけた「ダムカレー協会」には、現在17団体37店舗が参加しています。

 ダムカレーは基本的にカレールーを湖に、ご飯をダムに見立てるのが基本ですが、形を基準に考えると下流側の扱い方で大きく2つに分かれます。

 私はどうしてもダムの形や見栄えにこだわるので、ダムの下流側には何もない空間を置きたいのです。正確には上流面がダムの正面ですが、下流側から眺めるのが一番美しく、下流側こそがダムの顔であり、この部分を一番大切にしたいのです。しかし、食べることを中心に考えればその空間に副材を入れたいと考える方もいます。それぞれの店や地域でのこだわりがあり、違っていてかまわないし、そういう面白さがまたいいのです。形状は普通のカレーでもダム近隣の飲食店で提供されていることでダムカレーと認定されているものもあるくらいです。

 今年8月に神奈川県立相模湖交流センターで開催された「第3回ダムマニア展」では、全国から23のダムカレー(食品サンプル)が集まり、展示会を開催しました。ダムカレーはこれからもまだまだ増え続けると思います。

ダムカレーの種類
ダムカレーの種類

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