ダムカレーからダムツーリズムへ ダムカレーの火付け役・宮島咲さんに聞く
近年ダムが観光の対象となってきた。現象として「ダムマニア」という言葉がよく聞かれるようになり、「ダムカード」が人気を集め、漫画『ダムマンガ』もヒットしているという。
その流れの中で、今年は「ダムカレー」に注目が集まっているようだ。その仕掛け人でありWebサイト「ダムマニア」の運営者でもある宮島咲さんに、ダムカレーとダムの楽しさ、観光へのアプローチなどをうかがった。
嫌われものから観光対象へ進化するダム
ダムカレー(三州家)
――まず、宮島さんの「ダムマニア」への道はどのようなものだったのか。
宮島:私はもともと山の中を行くドライブが大好きで、車で各地に行っていたのですが、山に入るといろいろなところでダムに出合いました。よく見るとダムはさまざまな表情を持っています。その写真を撮るのが楽しくて、気がつくといつの間にか主目的がドライブからダムに変わっていたのです。
その当時、ダムの管理者や地域の方々にはダムを観光地にする、という考えはほとんどなく、見学したいと申し出てもよく断られたものでした。交渉しているうちに、個人では無理でも団体になれば受け入れてくれるところが多いということが分かり、ネットなどでつながりができた人たちとグループをつくり、見学申し込みをするようになったのです。だから今も横のつながりが強いですね。コアなメンバーはダムクラスタと呼ばれ40人くらい、そのほか最近できた団体として、Facebookの「ダム部」という、初心者が多く参加する集まりもあります。
近年は管理者サイドの考え方にも次第に変化が見えてきました。2007年に国土交通省や水資源機構がダムカードの発行を始めました。最初は111カ所のみでしたが、現在は地方自治体や電力会社なども共調し、400カ所以上で発行されています。2012年には私がそのうちの約130枚を集めて『ダムカード大全集』(スモール出版)を作りました。
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