地域性を生かした現代的なお土産のデザイン 【前編】
旅の楽しみとして欠かせないお土産。最近では通信販売により、旅先で知ったり、お土産でもらったりした商品を再購入したりすることも可能になり、お土産は地域と人をつながる役割も果たしています。
地域性を生かした現代的なお土産のデザインについて、「買ってもらえるお土産品のデザイン」に続き、パッケージデザイナーの福井政弘さんにご紹介いただきました。
マーク・シンボルでその土地らしさを表現
伊勢醤油
伊勢醤油本舗(三重県伊勢市)
20年以上経った今でも古さを感じさせないシンプルなデザイン
伊勢神宮に奉納される名品。
伊勢神宮に祀られている天照大神をイメージした”太陽”と、吉祥文様である“霊芝雲文”を組み合わせたロゴマークを金の箔押しで表現することで、神々しさが生まれ、伊勢神宮に所縁があることが一目で伝わる。
シンプルな構成で完成度が高いため、最初の商品が発売されてから20年以上が経過しても、デザインはまったく古さを感じさせせない。
フタにかぶせた紙の帽子は日本酒ではポピュラーな方法だが、醤油に用いることでより特別な雰囲気が出ている。
太陽と霊芝雲文の金の箔押しにより神々しい雰囲気に
伊勢醤油本舗
https://www.isesyoyu.co.jp/
秋刀魚らーめん 前沢牛らーめん 白金豚らーめん
小山製麺(岩手県奥州市)
秋刀魚らーめん 左上の東北地図、右上にはラーメンのイラスト、中央の秋刀魚イラストは全て金色
東北産の良質な原料で作られた即席麺。
通常、即席麺のパッケージにはシズル写真(湯気や肉汁など食欲を喚起させるような写真)が入るが、この商品ではあえてシズル写真をまったく入れず、金のラーメン丼のマークで表現している。
“秋刀魚””“前沢牛”“白金豚”はラーメンの素材としては珍しいため、見たときに驚きがあり、その興味の引き方と商品の説明がうまくバランスをとって両立している。
シンボリックなイラストと、東北地方の地図を金色にすることで、明快かつ高級感のある表現になっている。
前沢牛らーめん 背景の黒が金色の牛を引き立たせる
白金豚らーめん 白金豚のロゴタイプが印象的なパッケージ
小山製麺
http://www.oyama-seimen.co.jp/index.html
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