訪日ムスリム旅行者が本当に求めるおもてなしとは
ハラール対応のための第一歩とは?
では、ハラール対応といっても何から始めたら良いのか? これが一番気になる所だと思います。今回は訪日インバウンドに焦点を当ててみていきましょう。
図2のグラフはムスリムが抱く訪日旅行時の懸念点を表しています。一般的に訪日外国人が不満として挙げる語学やWi-Fiのインフラを上回り、「ハラール食品・礼拝場所」に懸念が集まっていることがわかります。
図2 ムスリム旅行者が日本旅行中に感じる不安
では、なぜこれらの環境整備が進まないのか? いくつか考えられる要因はありますが、一つには「ハラール=大変、難しい、莫大な費用が掛かる」といったマイナスイメージが根付いてしまっているからだと考えています。
実際はどうでしょうか?
ここで、世間一般のハラールに対するイメージと現場のムスリムの声を比較した図を紹介します(図3)。
図3 ムスリム旅行者と受け入れ側のおもてなしに対する考え方を比較
こう見ると、「ハラール = 大変」というイメージは、自分達が作り上げたものであり、実は凄くシンプルなのではないかと思えてきませんか?
観光庁が提示しているガイドラインも紹介させていただきますが、ここでも現実的なレベルからの対応を推奨していますので、参考にしてみてください(図4)。
図4 ムスリム旅行者の食事や礼拝に対する習慣やニーズを紹介する観光庁「ムスリムおもてなしガイドブック」
図5 「ポリシー」の例 東京・浅草にある「SEKAI CAFÉ」ではハラール・ベジタリアン・ビーガンに対応しており、店内にポリシーを提示している
ハラール対応において求められるレベルは、国によって違いはでてきますが、大切なのは受け入れ側が「ポリシー」(図5)を作成し、その条件に納得いただけるお客様を受けいれる方法だと考えています。
スポンサードリンク
スポンサードリンク