訪日ムスリム旅行者が本当に求めるおもてなしとは
大阪にある日本食レストラン祭–MATSURI-では、食材だけでなく調味料などもハラールに対応しており、名物のたこ焼きも楽しめる
最近巷で耳にする「ハラール」とは?
最近テレビや新聞で「ハラール」という言葉を耳にする機会が増えてきましたが、いまひとつ実態を掴めない方も少なくないのではないでしょうか?
「ハラール=豚・アルコールを含まない食品」と捉えていらっしゃる方が多いようですが、厳密に申し上げると、それ ”も” ハラールと言うのが正しいでしょう。
ハラールとは、イスラーム教の教えに基づき「許されたもの」を意味します。
イスラーム教徒(以下、ムスリム)にとって、豚・アルコールは禁じられているので、それらを含まない商品は確かにハラール(許されたもの)です。
しかし、正しくは「許されたもの・行為全般」を意味するので、食以外にもさまざまなルールがあることを認識した上でハラールビジネスに取り組むことが極めて重要です。
ハラール市場が注目を集める訳
さまざまな理由が考えられると思いますが、一番の理由は「人口規模」と「経済規模」にあります。
ご存知の通り、現在日本は急激な人口減少の危機を迎えています。
2017年の日本の人口は約1億2,000万人ですが、約30年後の2053年には1億人を切るといわれているほどです。注1)
一方、世界のムスリム人口は2010年時点で16億人と、世界人口の約4分の1を占めており、市場規模にして100兆円の巨大マーケットといわれています。注2)
また、ムスリムの平均年齢は23歳で、ノンムスリムの平均年齢が30歳であるのに対し、若年層が多くを占める点も注目を集める要因の一つです。
図1 ムスリムとノンムスリムの比較
「2050年には世界人口の3分の1をムスリムが占める」ともいわれており、世界中がムスリム市場を成長マーケットとして注目しています(図1)。注3)
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