ツーリズム・オブ・ザ・デッド  ―観光・地域振興に活かす『ゾンビ学』理論

岡本健奈良県立大学地域創造学部准教授

2017.08.30

ツーリズム・オブ・ザ・デッド ―観光・地域振興に活かす『ゾンビ学』理論
韓国の新幹線KTXを舞台に展開するゾンビ映画『新感染』のワンシーン 素早いゾンビがいつの間にか背後に迫る 
■タイトル:新感染 ファイナル・エクスプレス ■全国公開:9月1日(金)  大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか © 2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved. ■配給:ツイン

人だけでなく新幹線にも感染!? 走るゾンビの登場

 2000年代に入り、ゾンビは新たな特徴を身に着けます。それは、「走ること」です。ゾンビは元々死体ですから、ゆっくりゆっくり歩くのが普通でした。ところが、2002年の『28日後…』や2004年の『ドーン・オブ・ザ・デッド』では、ゾンビたちが全力疾走して向かって来ました。これは恐ろしいですね。それに加えて、ゾンビ化の原因として、ウイルス感染が挙げられるようになり、日本を含めて、遺体が土中に埋まっていない国や地域でも、ゾンビ物が作れるようになりました。

 イギリス産ゾンビ映画の『ロンドンゾンビ紀行』、ギリシャ産の『ギリシャ・ゾンビ』、フランス産の『ザ・ホード 死霊の大群』、キューバ産では『ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド』、そして、インド産の『インド・オブ・ザ・デッド』など、世界中でゾンビ映画が作られています。日本でもマンガ作品『アイアムアヒーロー』の実写映画が作られましたし、実に日本らしい『大江戸りびんぐでっど』なる歌舞伎の作品もございます。世界中を旅するゾンビ映画も登場、その名も『ワールド・ウォーZ』です。ブラッド・ピット主演の本作では、主人公が世界中のゾンビ対策を見て回ります。

 ゾンビ映画、観てみたくなりましたか? 「でも、あんまりグロテスクなのはちょっと…」「怖すぎるのは夜眠れなくなるから嫌」というそこのあなた、『新感染 ―ファイナル・エクスプレス』はいかがでしょうか。こちらは韓国産ゾンビ映画で、舞台は何とKTX(韓国の新幹線)車内です。ゾンビの感染は歯止めがききません。ついに新幹線にも乗車してしまいました。信じられないかもしれませんが、さまざまな形の「愛」と「成長」が描かれています。2017年9月1日より、全国の劇場で公開されます。どうぞ劇場に足を運んでゾンビ付き観光列車の旅をご体感ください。

ツーリズム・オブ・ザ・デッド
車内と車外から襲い掛かる感染者たち

ツーリズム・オブ・ザ・デッド
時速300キロで疾走する電車内で乗客たちがサバイバルを繰り広げる
■タイトル:新感染 ファイナル・エクスプレス ■全国公開:9月1日(金)  大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ、MOVIX京都、神戸国際松竹 ほか © 2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved. ■配給:ツイン

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