坂で楽しむ観光地
皆さん、こんにちは。坂好きの沢村と申します。「坂ミシュラン」というウェブサイトを14年ほどやっております。今回は「坂と観光」というテーマで、旅行ガイド風に坂を紹介させていただきます。
まずは北の北海道から参りましょう。
ロマンチックな夜に浸る 北海道函館市・八幡坂
八幡坂 写真提供/函館市公式観光情報サイト「はこぶら」
日本経済新聞の『観光で訪れたい坂の名所ベスト10』で堂々の第1位を獲得した名坂です。西野カナさんをはじめ、数々のPV、ドラマでの舞台となりました。テレビCMがきっかけで「チャーミーグリーンの坂」と呼ばれたこともあるそうで、少し年配の方には懐かしいかもしれません。
八幡坂は坂上から函館港が一望できるのが何よりの魅力です。というのもこの坂、いわゆる一本坂、真っすぐなんです。
しかも車が対面で通れる道幅がしっかりとあって、上から見ても下から見てもドーンと男らしい坂です。坂の両側には並木があり、夜はライトアップしてくれます。坂下からは函館山を見上げることができます。函館山をロープーウェイでのぼれば「100万ドルの夜景」が待っています。カップルでも女子会でも、盛り上がること間違いなしです。
続いて北陸に参りしょう。
小京都で大人のたしなみ 石川県金沢市・あかり坂
あかり坂
あかり坂の登り口にある標柱
先ほどの男っぷりのいい坂とは打って変わって、この艶やかさはどうでしょう。小津安二郎の映画にも出てきそうです。それもそのはず、この坂は作家の五木寛之さんがこよなく愛する坂で、もともと無名の坂だったのを、愛するあまりに自ら「あかり坂」という素敵な名前をつけてしまったのです。
主計町茶屋街
ひがし茶屋街
小京都とも呼ばれる金沢には、浅野川のほとりに主計町(かずえまち)と呼ばれる茶屋街があります。川沿いの表通りから中に入ると昼間でもやや薄暗く、人一人通るのがやっとの細い路地、そのダンジョンにひっそりたたずむのがこの坂です。
料亭から仕込みの音と出汁の香りが感じられる中、この苔むす坂に着物姿で立てば、誰しも絵になることでしょう。浅野川の対岸には「ひがし茶屋街」、西の犀川のほとりには「にし茶屋街」もあり、風情のあるまち並みが残されています。
今年3月、北陸新幹線は開業2周年を迎えました。先ほどの函館も北海道新幹線開業1周年です。これからの季節、坂を巡るには凉しいところのほうがよいかもしれませんね。
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