OpenStreetMapとTwitterのつぶやきを活用した観光地図「てくぬま」を作成 地域の課題をみんなで解決するCode for Numazuの活動

市川博之Code for Numazu代表、静岡県地域情報化コーディネータ

2017.04.10静岡県

OpenStreetMapとTwitterのつぶやきを活用した観光地図「てくぬま」を作成 地域の課題をみんなで解決するCode for Numazuの活動
インターナショナルオープンデータデイ2017 IN 三島 前列で座っているのが市川博之さん

 静岡県東部を中心として活動するCode for Numazuは、地域の課題をITやデータを利用して、みんなで解決しよう!という考えのもと、2015年12月キックオフしました。現在、下記のような活動を住民が主体となって続けています。

・市民と一緒に、データの見える化(ヴィジュアライゼーション)を通じ、まちの課題を見つけ、解決策を考える
 毎月の定例会で、自治体や統計局が公表したデータの見える化をしたり、先進自治体と静岡東部のWebサイトの掲載情報を比較し、足りない情報は何なのかを確認します。

・課題解決ワークショップやアイデアソンの開催、その中から継続可能性の高いものを活動支援する。
 全国規模で行われている、オープンデータを利用したアイデアソン、ハッカソンへの参加を通じ、参加者たちが活動に腹落ちしたものを、実際にプロジェクト化しています。例えば「てくぬま」も、市外から来たときにまちの飲食店がよく分からないという課題や、商店街から沼津港までの回遊性の課題から生まれました。

・市民側も一歩歩み寄り、自治体側も一歩歩み寄り、公民連携で新たな価値を見出す。
 「てくぬま」の地図作成のため、避難所情報の整備や、駐輪場、WiFiスポットの情報を沼津市に整備してもらったり、民間だけでは集まらない情報は自治体とも連携しながら進めています。

・市民で作成できるものは、市民でもデータを整理し、作る。
 マッピングパーティ、WikipediaTownなど、地域の人たちで作れるデータは、勉強会と実際のイベントで徐々に作成を進めています。

・各自治体のオープンデータ作成・公開の支援する。
 沼津市の危機管理系で足りない情報の整理、伊東市の観光トイレの情報など、観光に必要な情報を整備し公開を一緒に進めてきました。

 毎月の定例会、もしくはイベントを通じて、多くの市町村と、地域住民が参加しながら、それぞれの地域のテーマに合わせた活動を検討し、プロジェクト化しています。

OpenStreetMapとTwitterのつぶやきを活用した観光地図「てくぬま」を作成 地域の課題をみんなで解決するCode for Numazuの活動
55名が参加した「インターナショナルオープンデータデイ2017 IN 三島」。5つのチームに分かれ、各市町村で感じているモヤモヤを書き出して課題を見える化した

 静岡市、沼津市、三島市、裾野市、伊豆の国市、伊東市の自治体の方々と静岡東部の地域住民で、このエリアの人口増減やオープンデータの有無の見える化ワークショップを実施しました。観光、防災、交通、福祉、子育てなどのデータは、自治体単位ではなく、広域で同じ情報をそろえることで価値が倍増します。隣の市に行ってアプリが使えなくなる事態にならないよう、これからも住民と自治体のつながり、自治体同士のつながりを通じて、地域全体で取り組めることを考えていきます。 

 静岡東部の観光面については、今後2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けインバウンド需要が見込まれます。特に自転車競技については、伊豆市が会場となるため、英語を含めた広域での情報整備、オープンデータ公開による同一サービスの提供において、民間作成による速度と質の向上が必要になると考えています。そのために、広域で使える公開データのフォーマットの統一化や、データ作成方法の支援を進め、また市民参加型のアイデア収集とプロジェクト化も、自治体と協力しながら進めたいと思っています。

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