弘前が好きになる弘前城曳屋 公開型、体験型の石垣修理工事
本当にいいまちだから、知ってほしい
東京・新宿アルタ前でのバーチャル曳屋ウィーク
さらに、同じ時期に東京の新宿アルタ前で「バーチャル曳屋ウィーク」というイベントも行った。これは、参加者が曳いた力をキロやトンに換算して弘前に「送り」、その力も合わせて曳屋を行うものだ。事前申し込み不要で参加でき、新宿に居合わせた多くの人に弘前をアピールすることができた。
佐々木:
「東京の多くの人に、弘前に注目してほしいという思いがありました。城が動いていること、桜の名所の城であることだけでなく、弘前にさまざまな魅力があることを知っていただきたかったのです。
弘前は本当にいいまちだと思っています。自然が豊かで、四季それぞれに美しい姿を見せます。歴史もあるし文化も豊かです。弘前フレンチといってフランス料理の店が多くあり、津軽塗やこぎん刺し、ブナコなどの工芸品も…。これを機に、ホームページを見てもらったりして、いろいろな資源があることを知ってもらえればと思います」
藤田記念庭園で開かれた「おもてなしレストラン」
ブナコの照明と食器
佐々木さんは熱を込めて弘前の魅力を話す。こうした前向きで明るいエネルギーは、佐々木さんだけでなく、石垣修理事業に関わる人々全体に流れているようだ。弘前市役所では「ひろさき魅力プロデュース室」が事業全体のまとめ役、リード役を担当し、昨年10月からは組織改正に伴い、広聴広報課がその任を引き継いでいる。公園緑地課、観光政策課、文化財課なども関わっているが、さまざまな部署の職員が集まっても「縦割り」の雰囲気はなく、また職員と工事を担う職人たちともすっかり仲良くなったそうだ。
佐々木:
「こういう言い方は変かもしれませんが、せっかくの石垣修理工事なので楽しく、みんなで情報共有をしながらやっていきました。みんなの頭の中に、言い合いをするよりも市として曳屋の工事を成功させないと、という思いがありました」
現存12天守のまちを盛り上げる
弘前市では「現存12天守PRプロジェクト」も進めている。現存12天守とは、弘前城をはじめ、姫路城、松本城(長野県松本市)など、江戸時代から残る全国の12の天守のことだ。
佐々木:
「12天守のある自治体の皆さんといろいろな取り組みをしていこうと仕掛けました。城は外国の方も興味があると思うので、インバウンド対策を連携して行い、城以外にも人や文化、経済の交流をしていきたいと思います。例えばわれわれの売りの、桜の管理技術を役立ててもらえると思います」
姫路城のある姫路市と同盟締結
丸岡城のある福井県坂井市と同盟締結
12天守を生かした取り組みはすでにスタートしている。例えばクラブツーリズムに提案した「現存12天守をめぐる旅」のツアーが実現し、第一陣が3月30日に出発予定だ。
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