外国人向け情報発信のコツ 台湾で大人気の日本旅行情報サイト「ラーチーゴ―!」を運営する吉田皓一さんに聞く

吉田晧一株式会社ジーリーメディアグループ代表取締役

2016.04.01

現地出身のライターが本当に面白いと思った情報だけを発信

 「ラーチーゴー!」では台湾・香港出身のライターを実際に雇い、彼女らが自ら取材対象を選び、実際に足を運んで取材をし、記事を書くことを基本にしている。

 現在は東京、大阪、台北にオフィスがあるが、従業員の8割は台湾人・香港人。常にコミュニケーションができる状態にして、台北にいる編集長を中心に、「桜が満開間近だから、あの公園に取材に行こう」「新しい商品が出るからこのお店の取材に」と方針を決め、組織的に動いている。

 現地目線で記事を書くことにこだわっているのも、台湾では日本のガイドブックは星の数ほど売られていて、ガイドブックに載っていないような旬な情報、ローカルな情報でなければ、価値がないからだ。

PV数2位の、日本の文房具を紹介したページ。台湾に比べ日本の文房具やロフト等の文房具コーナーがいかに充実しているかが、現地ライターならではの視点で書かれている
PV数2位の、日本の文房具を紹介したページ。台湾に比べ日本の文房具やロフト等の文房具コーナーがいかに充実しているかが、現地ライターならではの視点で書かれている

 データ分析も行っているが、読者の傾向だけにおもねってしまうと、徐々に面白さが失われてしまう。
 分析に頼りすぎず、エッジの効いたサービスや、本当の意味で読者を楽しませられるような情報を出すことも重要で、最終的には“勘”が大事になってくる。

 また、パンフレットなど紙媒体では、写真の美しさが重要だが、ネットの場合はスマートフォンで見ることが多く、美しい写真でも画面の大きさに限度がある。
 そのため、ネットであれば細部まで美しい写真というよりも、中身を伝えることに注力している。

1 2 3 4 5

スポンサードリンク