魅力向上につながるトイレの整備 日本トイレ研究所加藤篤さんに聞く

加藤篤特定非営利活動法人日本トイレ研究所代表理事

2016.07.19

困りごとを知ることがまず大切

 トイレを改善するには、まずは困りごとを知ってもらい、共有することが大切です。今は、何に困っているかすら分からないというのが現状ではないでしょうか。

 例えば、トイレの床が濡れている場合。靴で歩く分にはそんなに気にならないかもしれませんが、車イスの人からすると手で握るタイヤが汚れてしまいます。導尿する場合は手を清潔にしなければいけないため、手が汚れると困ります。盲導犬を連れている視覚障がい者からは、犬が伏せをした時におなかが濡れてしまうため、必ず手で床が濡れていないか触って確かめるという話も聞きました。

 こうした声を知って、例えばドライ清掃を心がけるだけでも、変化が現れてくると思います。

 そこで日本トイレ研究所では、こうした困りごとを知ってもらうために、「TOILET NIPPON」(http://toilet-nippon.jp/)というサイトを立ち上げました。サイトでは困りごとの声とともに、改善するアイデアや事例を募集しています。

toiletnippon
「TOILET NIPPON」ではトイレの困りごとの投げかけに対し改善策のコメントが書き込まれる

 多様性を受け入れられる社会になるためにも、困りごとを知り、少しでも改善につなげてくれればと思っています。

(インタビュー・文/城市奈那)

取材対象者プロフィール

加藤篤

加藤篤特定非営利活動法人日本トイレ研究所代表理事

1972年、愛知県生まれ。まちづくりのシンクタンクを経て、現在、特定非営利活動法人日本トイレ研究所代表理事。野外フェスティバルや山岳地などにおけるトイレ計画づくり、災害時のトイレ・衛生調査の実施、小学校のトイレ空間改善、養護教諭を対象にした研修会、子どもたちにトイレやうんちの大切さを伝える出前授業を展開している。「災害時トイレ衛生管理講習会」を開催し、災害時にも安心して行けるトイレ環境づくりに向けた人材育成に取り組んでいる。

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