魅力向上につながるトイレの整備 日本トイレ研究所加藤篤さんに聞く

加藤篤特定非営利活動法人日本トイレ研究所代表理事

2016.07.19

 おもてなしに取り組むトイレを認定する高知県の「おもてなしトイレ認定事業」や、きれいで快適なトイレを増やす「おんせん県おおいたトイレクリーンナップ作戦」など、観光地の魅力向上を目的にトイレの整備に取り組む地域が増えている。
 観光や旅行においてトイレのどんな困りごとやニーズがあるのか。NPO法人日本トイレ研究所加藤篤代表理事に話をうかがった。

日本のトイレは本当に使いやすいのか

 日本トイレ研究所では、誰にとっても安全・安心できる地域社会づくりと健全な地域環境づくりに貢献することを目的に、公共トイレに関する調査・研究、トイレ教育、トイレ環境の改善に向けた普及啓発を柱にしながら、トイレ環境はどうあるべきかを総合的に研究し、トイレからの社会改善に向けて行動・実践を進めています。我々にとってトイレとは、便器だけを指すのではなく、排せつ行為や空間としてのトイレ、し尿処理なども含みます。身体、空間、環境をセットでトイレと捉え、そのつながりを通して地域や環境を変えていきたいと考えています。

 そうした中で、現在、主に3つのテーマに力を入れています。

 1つ目は、子どもたちのトイレ環境です。古い、汚い、臭い、怖い和式トイレが小学校にはいまだに多く、洋式に慣れてしまった子どもたちのストレスになっています。食育のように排せつに対する教育もありません。そうした状況を変える活動を進めています。

 2つ目は、災害時のトイレ衛生対策です。日常の暮らしではトイレは当たり前の存在であるからこそ、災害という非日常でトイレが使えなくなるとパニックが起こります。特に大勢の人がいる場所で流れるものが流れなくなれば、大変なことになると容易に想像できます。また、トイレに行きたくないからと水分補給をやめてしまうと、エコノミークラス症候群や脱水症等にもなってしまいます。

 3つ目は、観光にも大きく関わる「まちの中のトイレ」です。
 この3つ目の取り組みの一環として、日本トイレ研究所ではトイレの困りごとに関するアンケートを行いました。

 日本のトイレはきれいで、技術的にも世界のトップレベルにありますが、果たして本当に使いやすいのでしょうか。それを確かめるため、2014年から1年にわたり不特定多数の個人・団体から意見を集めたところ、2141もの回答・困りごとが判明しました。

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