長良川おんぱくで流域再生 第2回 まちづくりのプラットフォームをつくり、長良川ブランドを構築・発信する

2014.09.16岐阜県

おんぱくは「インフラ」

今年のプログラム「商店街っておもしろい! おいしい美殿町さんぽ」
今年のプログラム「商店街っておもしろい! おいしい美殿町さんぽ」

 こうした中で幅を広げた団体はいくつもある。「長良川船遊び」などを開催する芸舞妓連の「鳳川伎連」は、長良川おんぱくのメディア露出に伴って活動が広く伝えられ、岐阜町に花街文化が今も続くことを知らしめた。舞妓・芸妓中花の希望者も生まれ、担い手を育てる「岐阜伎芸(ぎげい)学校」を開いた。

 他にも、プログラム開催から生まれたグループ「Experience Gifu(エクスペリエンス ギフ)」は、英語でのまちなかツアーを外国人向けの旅行ウェブサイトで販売し、岐阜での国際学会でチラシを配って営業している。また「長良鵜飼屋猫道散策」を開催する「長良会」は、プログラムの開催を通して会の活動を本格化させた。メンバーは個人で他のプログラムを開催したり、別のまちづくり活動のリーダーとなるなど、まちづくりの新たな担い手たちを生み出したと言える。

蒲:おんぱくはあくまできっかけ。そして「プラットフォーム」「インフラ」なのです。みんながいつでも使えるし、使わなくてもいい。使うことでつながったり、新しいコミュニティが生まれたりもします。

 おんぱくはプログラム実施の仕組みや広報など、目的達成の基盤を形成するものなのだ。一方でおんぱくは「中間支援組織」、参加者に向けたパートナーの活動を支援する組織でもあると蒲さんは言う。

蒲:パートナーへの支援力がおんぱくの核だと思っています。パートナーがいかに目的を描き、プログラムを企画・実践して、自分の事業や取り組みにつなげていけるか。その質がおんぱくの成果になると思うんです。

 長良川おんぱくをきっかけに起業する人も生まれている。NPO法人ORGANでは「ORGAN創業塾」を開き、事業計画作成や補助金の申請などをサポートしている。

 まちに主体的にかかわる人が増え、そのコミュニティができつつあることによるまちの変化を、蒲さんは感じている。

蒲:近くに質の高いコンテンツを提供している仲間がいて、いつでも連携できるという環境ができてきました。かつてこのまちでは、あまりにも若い人が活躍できる場がなくて評価もされなかった。そのときと今とでは全く違うという確信があります。

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