誰もが暮らしやすいまちをめざして 青いかば旅行社の挑戦(後編)
心のバリアフリーからはじめよう
海を臨む伊東の宿泊施設
高齢者も障がい者も健常者も一緒に楽しめる旅。それは誰かがあきらめたり、誰かが我慢したりするのではなく、ゆっくり進むことを、みんなが楽しむ旅。
そんなツアーを伊東で主催しているのが、長谷川浩平さん、優子さんの二人が営む「青いかば旅行社」だ。後編では、ツアー以外にも広がる活動や今後についてお話を伺った。
ツアーの舞台は静岡県の伊豆半島、二人が住む伊東市を中心とする地域だ。伊東市には日本三大温泉郷とも言われる伊東温泉郷があり、海の近くには多くの宿泊施設が立つ。昔からたくさんの観光客が訪れるまちだ。
優子:「だから、お客さまを『ぜひ来てください』と迎える意識が低いところがあるのではないかと思います。それを改革しないと、この先、お客さまに受け入れてもらえなくなるのではないかと気になっています」
優子さんは自ら動いた。2011年に伊東商工会議所が創設した「伊東温泉おもてな師マイスター制度」の講座を受講し、「伊東温泉おもてな師マイスター」の資格を取った。その後も3年連続で受講し、最高レベルの「スペシャリスト」の認定を受けている。
伊東駅には「伊東温泉おもてな師マイスター」のコーナー
優子:「私たちは、福祉を充実させることで観光につなげていけるのではないかという視点で考えています。障がい者の目線で、こういうところに困っているとか、こういうところで手助けがあれば障がいのある方はとても気持ちがいいとか、少しずつでも言っていこうとしています。それは高齢の方にも通じるでしょうし、障がいのある方でもない方でも、優しく接することにつながると思います。お客さまをおもてなしできるよう、少しずつ意識を前向きに変えていただけるような活動をしていきたいと思っています」
浩平:「これから高齢化社会が進む中で、ますます観光の中に福祉の割合が高くなっていくと思います。まずは、お金をかけなくてもできる、心のバリアフリーからやっていったらどうかと思っています。それが広まると、施設を直した方がいいとか意識が変わってくるのではないかと思っています」
多くの観光客を迎える伊東駅
駅前商店街。「伊東お菓子ぃ共和国」をPR
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