ボルダリングで金華山の復旧・復興に取り組むNPO法人FIRST ASCENT JAPAN.
アピールしなければ復興につながらない
金華山の環境を保全し次世代に継承する
――復興に向け、他にどんな活動をしていますか?
むらかみ:2つあります。1つは地元企業の活性化を目指し、石巻市のファンクリエーションとクライミング用品のチョークバックの製作企画を進めています。チョークバックとは、クライミングで手に付ける白い粉を入れる袋です。袋の生地は、ウェットスーツを作る時に出る「端切れ」を使い、袋の中は着なくなったフリースを再利用します。ロゴデザインは音楽プロデューサーの小林武史氏、Mr.Childrenの桜井和寿氏、坂本龍一氏で設立した「ap bank」、フリースはアウトドアブランド・パタゴニア日本支社からご支援をいただき、石巻市内の仮設住宅で暮らしている方が製作する仕組みとなっています。
もう1つは、金華山の環境保全活動です。金華山はマツ林が4割近くを占めていて、震災後は、シカの食害や松枯れが非常に深刻になっています。このため、以前関東森林管理局に勤務し、現在は「森林(やま)の会」代表の宮下正次氏や東北大学大学院生命科学研究科教授・中静透(なかしずかとおる)氏らにご協力いただき、森林調査や再生方法について探っています。松枯れの問題を情報発信し、次世代に豊かな森林を継承できるよう植樹活動の発展を目指しています。
――被災地から離れていても何か支援できる方法はありますか?
むらかみ:今秋に登山道整備を含めたボルタリングイベントを開催するので、是非参加してもらえると嬉しいです。イベントは参加できないが応援したいという方は、寄付4,000円以上で、宝島プロジェクトのオリジナルTシャツ(数量限定)を1枚プレゼントします。チョークバックと同じ素材で小物入れや筆入れも製作予定です。完成後はイベント販売だけでなく、私たちのホームページから購入できるようにと考えています。
地元で作られた商品を、応援してくれる方に使っていただき、私たちの活動PRと地元企業の活性化につながればいいですね。
4,000円以上の寄付でTシャツをプレゼント
――2年間活動してきてどんなことを感じていますか?
むらかみ:復興というのは、誰かが進めて、気づいたら終わっていると考えていました。
我慢して待つだけではなく、積極的にアピールをしなければ復興につながらないことを実感しています。また、復興への解決策は、崩れた部分をコンクリートで固めることが全てではなく、その土地の風土にあった策を講じてほしいと願っています。金華山の場合は、登山道の整備を進めると同時に、深刻な自然環境が再生されるよう、植樹を進め、豊かな森が盾となって減災につながる復興を目指したいですね。
今後もフェイスブックやホームページで情報発信をしていきますので、私たちの活動に関心を持っていただければ嬉しいです。
(インタビュー・文/塩田恵理子)
リンク:NPO法人FIRST ASCENT JAPAN.ホームページ
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