点字ブロックをスマホが読み取り、音声で道案内 金沢工業大が実証実験

2020.03.02石川県

点字ブロックをスマホが読み取り、音声で道案内 金沢工業大が実証実験
金沢21世紀美術館周辺での実証実験の様子

 歩道上のコード化された点字ブロックをスマートフォンで読み取ると、周辺施設の情報を音声で案内する実証実験が2月15日、金沢市で行われた。金沢工業大の松井くにお教授の研究チームが開発した。視覚障害者に加えて、市民や観光客への情報提供や災害時の誘導にもつなげる試みだ。

 点字ブロックの突起の一部に黒点や矢印をつけてコード化し、専用アプリを入れたスマートフォンで点字ブロックを読み取ると、AIが「右は金沢市役所です」といった具合に、施設の方向を音声で案内する。印の配置で3000万通りの情報を伝えることが可能という。

 金沢21世紀美術館や兼六園など観光施設の周辺の24か所にコード化した点字ブロックを敷設。実証実験には視覚障害者や学生ら約20人が参加し、案内を聞きながら周辺を歩いて回った。音声の誘導は大切な情報と期待する一方で、雨などの日にスマホを持ちにくいことなど、現実的な工夫も必要という意見もあった。

 今後は、観光情報や災害情報をAIが自動生成するシステムも作りたいという。松井教授は「外国人や観光客などみんなが使えるようにしたいし、トイレや避難場所などそれぞれの状況に合わせた情報も提供していきたい」と意欲を見せる。

点字ブロックをスマホが読み取り、音声で道案内 金沢工業大が実証実験
コード化点字ブロック

リンク:金沢工業大学 

リンク:実験参加者が撮影した動画

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