ストーリーの多層化がつくる魅力
観光地の魅力をつくる「ストーリー」とは
観光地の魅力づくりに必要なものとして「ストーリー」という言葉を度々耳にします。
しかし、「ストーリーって結局何なんだろう」「あの人とこの人の言っているストーリーは微妙に違うものな気がする」なんてことを思ったりはしないでしょうか。ある地域が舞台になった小説や映画、アニメもストーリーだし、ある商品の誕生秘話もストーリー、ある人の旅の思い出もストーリーです。結局のところ、どれもが等しく「ストーリー」なわけで、そういった色々なストーリーが重なり合って私たちの前に現れてくることが、ストーリーを把握することの困難さであり、また魅力ともなっています。
例として、童謡詩人・金子みすゞの詩を取り上げてみます。
金子みすゞは、故郷の山口県長門市仙崎の暮らしの中から詩を生み出し、現在では多くのファンを獲得しています。生家跡は「金子みすゞ記念館」として整備され、彼女の作品世界や生い立ちについての展示を見ることができます。
また、金子みすゞ記念館前の通りの家々は、自分の好きなみすゞの詩を木製の「詩札」に書いて軒先に吊るしており、周囲を散策しながら“みすゞを愛する町”を感じることができます。
そして、仙崎を訪問した観光客は、「金子みすゞ記念館」や「詩札」のことを旅の思い出としてブログやSNSに書き込んでいます。
ストーリーを使ったイベント
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