シティプロモーションと観光振興 地域へのプライドが観光を変える
「地域魅力創造サイクル」と「正統性エンジン」
あらためて、シティプロモーションについて考える。シティプロモーションを担う者は、地域に関わる人々の地域へのプライドを構築しなければならない。それによって、人々は地域へのアイデンティティファイが可能となり、積極的な地域推奨が可能となる。そのために必要なことが地域イメージのブランド化である。
ブランドは、差別的優位性の実現→顧客の行動変容に向けたメディア活用→評価による信頼確認という一連の流れによって可能となる(図1)。
図1 ブランド化の一連の流れ
このうち、差別的優位性の実現を、シティプロモーションに対応させて提起した発想が、地域魅力創造サイクルという考え方である(図2)。地域魅力創造サイクルは、発散→共有→編集→研磨という各ステージを、正統性エンジンによって回転させるサイクルである。
図2 地域魅力創造サイクル
正統性エンジンにおける正統性とは民主主義的正統性を意味する。地域は経営されるものである。主権者(プリンシパル)である市民が、行政・議会、企業、NPOをそれぞれ代理人(エージェント)として、地域に関わる人々の持続的な幸福を目的として行うものが地域経営となる(図3)。主権者である市民による、直接的な参画、あるいは代理人を経由した間接的な参画など、多様な参画がなければ地域経営は正統性を持たない。
であれば、地域魅力創造サイクルを回転させるにあたっても、市民の参画による正統性の確保は必須である。このエンジンがある故に地域魅力創造サイクルは十分に回転する。
図3 地域は経営されるもの
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