海外にも広がる事務いす耐久レースISU-1GP 仕掛け人・田原剛さんに聞く
ISU-1GPの誕生
▲第1回キララ2時間耐久レースin京田辺のポスター
キララちゃんだけでなく他にも自慢できる何かを、と考えていた田原さんらは、当時各地で開催されていたママチャリ耐久レースや、三輪車耐久レースに着目した。
田原:ママチャリや三輪車のレースはすでに他の地域でもやっています。他がやっていない、そして身近にあるものを使って誰でも参加できるレースにしたいと、EVO&revoのメンバーで考えていたとき、ちょうど事務いすに座っていたんです。その事務いすで外を走ってみると、めっちゃ楽しかったんです。小学生の頃、事務いすで廊下を走って先生に叱られた経験があったのですが、しっかり許可を取って堂々とできたら、おもしろいと思いました。
さっそく、警察に道路使用許可を申請した。これまで、キララちゃんを使って交通安全週間などの啓発活動にも積極的に協力していたことから、警察からの許可はすぐに下りた。市も、地域の活性化になると応援してくれた。
そして、2010年3月、第1回ISU-1GPをキララ商店街で開催。正式名称は「キララ2時間ISU耐久レース」、これには裏のメッセージが隠されており、「鈴鹿8耐」のように略すと「キララ・2・I・耐」(きららに会いたい)となる。商店街に足を運んでほしいという思いが込められている。
▲第1回キララ2時間耐久レースの模様
その後、100円商店街の考案者であるNPO-AMP理事長の齋藤一成さんの目にとまり、100円商店街発祥の地である山形県新庄市の南本町商店街にて、県外初となる「いす-1GP東日本大会in新庄」が開催される。
田原:齋藤さんは、100円商店街の講演で全国を回る際にISU-1GPの話をしてくれました。その話を聞いて、面白そうだから100円商店街と一緒に開催したいという商店街も出てきて、それがきっかけで一気に全国に広がりました。また、(一社)日本ご当地キャラクター協会代表理事の荒川深冊さんの影響もかなり大きく、齋藤さんと荒川さんには日本事務いすレース協会の専務理事を務めていただいています。
ISU-1GPはその競技の面白さから、自然と全国に広がったように見えるかもしれないが、実は、田原さんによる巧妙な仕掛けがあった。
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