海外にも広がる事務いす耐久レースISU-1GP 仕掛け人・田原剛さんに聞く

田原剛日本事務いすレース協会 代表理事

2018.03.19

注目を集めるための「仕掛け」

1.メディア戦略

  ISU-1GPは第1回の開催から注目され、メディアに取り上げられていた。初めての開催となる「キララ2時間ISU耐久レースin京田辺」は、募集段階でYahoo!トピックスに上がり、大会当日はテレビ局が取材に入り関西エリアで放送された。そして3、4回目には全国放送の取材陣が訪れ、全国にISU-1GPの映像が流れた。これは、すべて田原さんが意識的に仕掛けたものだという。

田原:1回目、2回目が、どんなメディアに取り上げられるかが重要なんです。地方版に取り上げられても、それは地方にしか発信されません。第1回大会の準備段階で、新聞やテレビ局の記者に何かいいアイデアはないかと相談に行きました。そうすることで、記者が関心を持ってくれ、当日の取材にもつながりました。

 田原さんは、毎年同じことはせず、少しずつ手法を変えながらメディアに仕掛けている。例えば、その地域で初めて開催される場合は「北海道初」「山形初」など、「初」ということを強調して宣伝する。ポスターの作成でも、「熱いヤツ、集まれ」というキャッチコピーとともに、インパクトのあるデザインとなるよう、開催地に呼び掛けている。さらに、このキャッチコピーは記者発表の際には「熱い記者、集まれ」と変え、記者の興味を引くような仕掛けがされている。

ISU1GPいす1グランプリ田原剛さん
▲ポスターには「熱いヤツ、集まれ」のキャッチコピーや、「〇〇初開催」という言葉が入れられている。デザインも、開催する商店街の色が強く出ている

2.参加者への仕掛け

 大会への参加を呼び掛ける段階から意識的に仕掛けていることもある。

田原:例えば、〇△銀行さんが参加することが決まっていた場合、ライバル店である〇△第一銀行さんに声掛けをして選手を集めます。そうすることで、応援に訪れる人も増え、ライバル同士でも一緒に戦ったという感動があります。

 一緒に戦うことで、関係が希薄であったライバル店同士の関係が深まり、商店街全体が元気になるきっかけができる。それがレースの本当のゴールなのかもしれない。

1 2 3 4

スポンサードリンク