「こうだったらいいのに」を形にする、その楽しさを共有する 岐阜県美濃加茂市「SWEETS WALK」

2017.10.20岐阜県

仕事にも家庭にもプラスに

 渡邉さんの普段の仕事は教員だ。また、3人の子どもの母親でもある。忙しいはずだが、

渡邉:本業にも子育てにもプラスになっているので、忙しいからと言ってこの活動をやめることはありません。何か言われるのが嫌なので、仕事もより頑張るようになりました。

 「プラスになっている」一つは教員の仕事でのことだ。

渡邉:子どもが巣立っていく先の社会にこういう仕事がある、活躍の仕方があると知り、広い視野で子どもに接することができます。またルーティーンの仕事も、この活動と同じようにクリエイティブにやれば楽しくなります。

 また渡邉さんの子どもたちも、さまざまな人に出会い、一緒に食事をするのが当たり前の環境で育ち、イベントの手伝いもしている。大いに刺激を受けているようだ。
 そして仕事、家事、育児の他にもやることがあることにもよい点があると渡邉さんは話す。

渡邉:一つだけをやっていると行き詰まってしまうし、暇があるとマイナスなことばかり考えてしまいます。いろいろやると、マイナスなことを考える時間がありません。逃げかもしれませんが、生産的な逃げです。やると必ず変わるし、できると知ってしまうとやめられない。子どもがいても、子どもと一緒に出掛けられるところに活動場所を設定すればいいのです。
 好奇心の強い人、やりたい人はやればいい。大変ならやめればいい。無理がないようにやることが大切です。私も睡眠をきちんとるようにしています。

みんな、巻き込まれたがっている

 震災後、自分の住む地域に目を向けるようになった渡邉さんだが、5年以上美濃加茂を見続け、再び視野が広がってきたという。今年8月には、東京で「ギフ県みのかも市ブラジルごはん」を提供するイベントにも参加した。

渡邉:美濃加茂の人に元気を出してもらえるようになったら、遠いまちの人にも、捉え方を変えることで元気を出してもらえるのではないかと思うようになりました。
 現代は人のつながりが希薄になっていますが、つながると絶対に楽しいし、いいものが生まれます。どんな人もみんな、巻き込まれたがっています。それがわかります。もっと巻き込まれていったらいいのではないかと思います。
 ただ、それは絶対にその人のやりたいことであるべきだと思います。やりたくないこと、楽しくないことでは輝けない。やりたいことの中に、得意なことが必ずあると思います。

 スイーツウォークはこんなことができたら楽しい、やってみたいという思いに共感の輪が広がり、形になった。そして企画が実現したことに満足するのではなく、日々の忙しさを言い訳にせず、より高いレベルのホスピタリティを追求しているからこそ、参加者の満足度が上がり、これだけ人気のイベントとなっているのだろう。そして自分のやりたいことをやるだけではなく、協力を求めるときにも「相手のやりたいことで巻き込む」という思いがあるからこそ、共感の輪が広がり、いっそう温かいホスピタリティを生むのだろう。

(取材・文/青木 遥)

リンク:happy net みのかも
※SWEETS WALK 2017は参加申し込みが定員に達したため、受付を終了しています。

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