「はじめてのコケ観察会」参加レポートin水元公園(東京都葛飾区)

2017.05.30東京都

コケ観察会
フィールドでの観察会のあとは、かわせみの里に戻り、用意されていた実体顕微鏡、光学顕微鏡でその日見たコケを観察した。これは自由参加であったが、参加者の半数以上が参加し、コケの細かい形状や細胞まで観察していた

コケの何が人を惹きつけるのか

 コケの魅力とは何か。あくまでも個人的な見解であるが、今回の観察会で感じたことをいくつか挙げてみようと思う。

 まず、コケの美しさやかわいらしさがある。森の中や寺院など、一面にコケが広がる景色も素晴らしいし、ルーペを覗いてはじめて見ることができる、小さくてかわいらしい姿も良い。さまざまな形状のコケがあるため、好みの一つを見つける楽しさもある。コケの群落に顔を近づけると、コケの小さな森に入り込んだような感覚にもなる。

 そして、どこにでもあるという手軽さ。自宅の庭、いつもの散歩道、旅先など、少し探せばすぐに見つけることができる。ルーペを持ち歩けば、いつでもどこでも観察でき、コケの小さな森を覗くことができる。

 さらに、馴染み深い維管束植物とは異なるコケの生態について、新しい発見を楽しめる。観察会でも、乾燥したコケに水を吹きかけると一気に復活する姿を見て、参加者たちは驚いていた。

 観察会ではみな、夢中になってコケを観察し、コケについて語り合い、情報交換し、目を輝かせて、コケをきっかけに楽しさや感動を共有していた。

 ここまで人を夢中にさせるコケには、今回の観察会だけでは分からない、さらに奥深い魅力があるのだろう。

 

(取材・文 井手真梨子)

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