アウトドアコンテンツの可能性 神津島の女性ツアーを事例に

鈴木一寛ナチュラリスト

2015.06.16東京都

新しいレジャーの需要を喚起する

アウトドアコンテンツの可能性 神津島の女性ツアーを事例に
東京・竹芝桟橋から高速ジェット船で神津島へ出発

 都市部では野外の遊び場が縮小し、一方でコンピューターゲーム、携帯端末など電子機器の高度化によって子どものインドア志向が著しい。高度成長期からバブル経済期まで続いたレジャーブームは鳴りを潜め、少子高齢化、地方の過疎化など構造的な社会問題もあるなかで、レジャー業界や観光地域には新規需要の喚起に向けた創意工夫が散見される。

 例えば、教育旅行の体験化がある。かつてスキー教室やテニス合宿でにぎわっていた宿泊施設は、農業体験や漁業体験を題材にした教育旅行の集客に注力している。また、旅行会社では家族旅行のターゲットを2世代から3世代に拡大し、祖父母が孫と一緒に楽しむことができるコンテンツを紹介している。昆虫採集や貝殻拾いなどが人気という。そして、男性客が中心だったアウトドアコンテンツへの女性客の引き込みである。

 本稿では東京都の神津島において試行的に開催された女性ツアーを事例に、アウトドアコンテンツの可能性について考える。

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