湯沢にタイ人観光客が急増! 二階堂パサナさんが実践する「まごころ」のおもてなしとは?

2015.01.05新潟県

訪日旅行の最初の壁

――日本の不便なところはどんなところでしょうか?

パサナ:ある時、経営する貸しスキー店に訪れたタイからの旅行者が、手荷物と一緒に、重くて厚いファイルを持っていることに気づきました。そこには朝起きて、どこで食事をして、何時の列車に乗るかや、駅に到着してから目的の施設までの道のり、運賃、外貨両替ができる所など、1日のスケジュールがびっしりと書き込まれていたのです。ここまでしないと旅行ができないことにとても驚きました。

 皆さんが海外旅行をするときは、パックツアーを利用することが多いので、ファイルを持ち歩いての旅行はあまりしないですよね。
 しかし外国人旅行者の多くは、インターネットから日本の情報を集めて、旅行プランを組み立ててしまうことがほとんどです。

 まず、行きたい地域のホームページを探します。見つかったとしても日本語表記で全く読めないことがほとんどです。英語に対応するページが見つかったとしても、さらに細かい情報を知るために電話で問い合わせると、英語が話せるスタッフがいないことで不便さを感じ、日本に来るのをあきらめてしまうことが現実に起こっています。

――旅行者が日本に望むことは何でしょうか?

パサナ:日本に来たとき、施設の案内板や標識がなく、あっても日本語で読めないため、迷子になってしまうことがあります。常に不安を抱えながら旅行をしているため、彼らは多言語表記と同時に、個々の要望にあった情報を提供できる人がいてくれることを望んでいます。

 日本に来るタイの人は、日本のことが大好きで来ているので、もし困っている様子を見かけたら「大丈夫ですか?」と積極的に話しかけてほしいです。また地元の人に迷惑をかけたくない気持ちを持っています。もしマナーを知らない様子を見かけた時は、その人に教えてあげてほしいです。

多国語で書かれた看板・標識
多国語で書かれた看板・標識

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