心でつながる、帰ってきたくなる宿 ゲストハウスPongyi[ポンギー](石川県金沢市)
外国人客にあと一歩近づけば
金沢を代表する観光地「兼六園」
多くの人でにぎわう「近江町市場」
ひがし茶屋街
ポンギーのゲストの約6割は外国人だ。
横川:外国人の場合、安いだけでなく日本的で、アットホームな雰囲気を求めてゲストハウスに来られます。東京では高級ホテルに泊まり、金沢ではポンギーに泊まるなど、柔軟に選んでいます。
スタッフは英語がそれほど得意ではありませんが、言葉ができなくても受け入れようと考えています。電話で英語は話せますかと聞かれたら、まず “Yes” と言って、その後 “A little” と付け足せば、相手もゆっくり話したり、後でメールを送ってくれたりします。
大丈夫、拒否はしていないという気持ちが伝わることが大事だと思います。チェックアウトの後も、メールでお礼を伝え、ポンギーのFacebookページを案内するなどして、関係が続いていきます。
こうしたつながりの継続もあって、口コミでポンギーを知って訪れる人も多い。
横川:外国人ゲストが帰国してから、日本地図を思い浮かべたときに、石川県の金沢市のところでポンギーが温かく光っていてくれたら嬉しいですね。
金沢市は今月14日に北陸新幹線開業を控え、国内外から訪問者が増えると予想される。
横川:金沢は、おもてなしの心がとても熱い地域だと思います。東京から来た私のことも温かく迎え入れてくれました。しかし、外国人に対してはまだ少しシャイな部分もあるようです。お店で片付けるときに「お味はどうでしたか」と一言かけるなど、ちょっとしたことであと半歩でも近づければ、まち全体の外国人へのおもてなし力が上がるのではないかと思います。
ポンギーでは習字や着付けなど日本らしいアクティビティを行っており、外国人はもちろん日本人ゲストも貴重な体験を楽しんでいる。
毎日行っている「ピースオリガミ」
大がかりなイベントがない日も、毎日アクティビティを行っている。その一つが「ピースオリガミ」で、平和への願いを書いた折り鶴を折るものだ。スタッフが顔を合わせたゲストに「今日の夜9時からやりましょう」と声をかけていく。ゲストが居間に集まることで、ゲスト同士の交流のきっかけにもなっている。こうした交流を楽しみに来る人も多い。
横川:無理には誘いませんが、普段電車で顔を合わせても話をしない人たちが、ここでは話しているということかもしれません。
取材した日も「ピースオリガミ」が行われ、ゲストのうちオーストラリア人2人と日本人2人が参加した。日本人2人は英語が得意ではなかったが、スタッフが話のエッセンスを訳して伝えることで、自然に会話が成立していた。慣れてくると、日本人2人が英単語を並べて鶴の折り方を教えるまでになった。完成した後も、共通の趣味であるカメラの話やこれまでの日本旅行の話などで、消灯時間まで話は尽きなかった。普段は初対面の人とすぐに打ち解けられないゲストも、スタッフの気配りもあり、輪の中で不思議なほど楽しく過ごせることも多いようだ。
オリガミをきっかけに会話が進む
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