全国で増え続けるトラベルヘルパー

篠塚千弘あ・える倶楽部

 皆さんは、「介護旅行」「トラベルヘルパー(外出支援専門員)」という言葉を聞いたことがありますか。

 まだ耳慣れない言葉かもしれませんが、トラベルヘルパーとは介護の経験技術と旅の知識を持つ「バリアフリー旅行」のプロです。

 そのトラベルヘルパーが同行する旅行を「介護旅行」といい、私ども「あ・える倶楽部」では「介護旅行」を16年前から続けております。

 トラベルヘルパーをご利用いただく方の目的は、単に「お楽しみのため」だけでなく、大切な思い出の場所を訪れることや、もう一度ふるさとの山々を見たいという希望や、お墓参り、結婚式の出席など「生きがいのための外出」、親孝行や家族旅行など「絆を深める」旅行や外出です。

 または「緊急時や災害時の移動」「健康や生活を維持するための外出」など様々ですが、すべてが、自分仕様の旅や外出で、その方のお身体やご希望にあった移動手段や宿泊先をご提案しています。

 トラベルヘルパーと一緒に旅行や外出を楽しまれたご家族の様子を弊社のホームページで紹介しています。お客様、ご家族様、そしてご一緒させていただいたトラベルヘルパーの笑顔が、みんなみんな輝いています。

 昨年から、介護旅行を仕事にしたいという事業会社や地域で活躍する方がぐんと増えてきました。また、静岡県東伊豆町のように介護旅行の受け入れ地として名乗りを上げる地域も増えてきました。

 被災地支援にも熱心な山形県の最上町をはじめ、鴨川市、富士河口湖町でも、介護旅行のまちづくりは人づくりとして、熱心な市民が取り組みを始めています。

 介護旅行を仕事にする人(着地型トラベルヘルパー)がもっと地方に増えて、こうした地域ができ、人と人とをつなぐ交通事業者の協力体制が整えば、障がいを持つ人の外出と同じように、トラベルヘルパーと一緒なら気軽に外出できるようになり、高齢者社会の広がりが見えてきます。

 年に2回のご旅行を楽しまれているお客様は、「1年のうち360日をベッドの上で過ごせるのは、トラベルヘルパーと行く5日間の旅のことを毎日思いながら過ごせるから」とおっしゃっています。

 また、「つらいリハビリを頑張れるのも家族と一緒に旅行を続けたいから」とおっしゃる方もいます。

 旅や外出がもたらす生きがいは、健康の向上とともに計り知れないものがあります。
 そこに気づく旅仲間が増えていくということは、旅の仕事を志した私たちにとって、この上ない喜びと感じています。

リンク:あ・える倶楽部 

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篠塚千弘

篠塚千弘あ・える倶楽部

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