石見の歴史や文化に触れ、地域の人と交流する体験プログラム「いわみん」を開催 地域おこしに取り組むイワミノチカラ代表伊藤康丈さんに聞く
江津市にあるカフェ「風のえんがわ」で行った報告会
地域でやる気のある人がやりたいことを実現する場に
このように多彩なプログラムが年々増えていったのはなぜだろうか。その理由挙げるとすれば、プログラム実施者になれば、プログラムを通じて広報活動やマーケティングができるというメリットがある。ほかにも、開催前には「ワークショップ」が行われ、より魅力的なプログラムとなるためのアドバイスが受けられたり、一人では実現できなかったことを他の実施者とコラボレーションすることで、新しいプログラムとして実現できることもあるという。
また、開催後はカフェで「報告会」が行われ、現場の写真を見せながら、実際に取り組んでどう感じたか、良かったことや悪かったことなどをざっくばらんに発表してもらう。例えば、
「そば体験のそば粉をけちったら、そばになりにくかった」
「参加料を安くしても人が来ない」
「催行人数を一桁にしたら予想外に参加者が集まった」
など、これらの情報が共有できるうえ、横のつながりも増えていき、さらなるやる気につながっている。
ではプログラム実施者になるためにはどうすればいいのか。
伊藤:実践者は徴収する参加料から2割と、毎回発行する冊子広告掲載料を事務局に支払います。参加者の予約や情報管理、広報、アンケートの集計などは事務局が担います。あとは広告に載せる文章とプログラムづくりに集中するだけです。しかし、広告に載せたから人が集まるというわけではありません。載せた上に自分で集客など活動を起こすことが大切だと考えています。お金を払ってでも自分たちの活動を知ってもらいたいという「やる気」のある人にぜひ挑戦してもらいたいですね。
プログラム実施者が挑戦しやすい仕組みになっているからこそ、こんなにも実施者が増えていったのではないだろうか。
今後、伊藤さんが取り組んでみたいことはどんなことなのだろうか。
伊藤:いわみんをスタートした6年前と比べて、地域の人が自分たちの暮らす地域を楽しもうという動きはできつつあると思っています。参加者のリピーターも増え、プログラムも充実してきているので、今度は広島市内から人を呼び込む仕組みを作りたいと考え、準備を進めているところです。
伊藤さんは2017年4月、益田市にある「萩・石見空港」の利用者数増加と地域や空港の魅力化向上を目的とした観光コーディネーターに任命された。いわみんだけでなく、石見地方の魅力を体感できる機会をこれからもつづけていく伊藤さんの活動に注目したい。
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