石切の渓谷展望台見学ツアーを実施 絶景と石工文化をPR

2017.07.18岡山県

 岡山県笠岡市北木島にある鶴田石材株式会社が、自社の採石場に石切の渓谷(たに)が見下ろせる展望台を4月に設置した。

 高さ約70メートルの展望台からは、削岩などの作業風景や採掘跡に溜まったエメラルドグリーンの丁場湖、瀬戸内の島々などが一望できる。こうした絶景だけでなく、職人が長年守り継いできた石工文化も感じてもらおうと、同社が市の補助金などを活用して整備した。

 北木島は大正末期から昭和中期にかけて127カ所の採石場があり、採掘された良質な花こう岩・北木石(きたぎいし)は、靖国神社の大鳥居や日本銀行本店本館など、国内を代表する歴史的建造物に用いられた。しかし近年は安価な輸入石材が増加し、採石場は2カ所まで減少している。

 そこで同社はさらなる北木石の知名度アップを図ろうと井笠観光株式会社と連携し「石切の渓谷展望台見学ツアー」を6月からスタートさせた。ツアーは日帰りで毎週火・土曜日に実施し、完全予約制。鶴田石材の社員がガイド役となり、2014年に復活した映画館「ひかり劇場」で石の歴史について映像で学んだあと、石割体験を行い、石切の渓谷展望台や加工されずに靖国神社に奉納されなかった残念石などを見学する。

 地場産業を活かした観光振興策として注目され、笠岡市や小豆島町などからも視察が訪れているという。

石切の渓谷展望台見学ツアーを実施 絶景と石工文化をPR
垂直に掘られた採石場の高低差は約150メートル、左上が展望台。一度に20人の見学が可能

リンク:鶴田石材株式会社 

リンク:井笠観光株式会社 

 

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