スマホゲーム「Ingress」に注目した岩手県 ゲームと地域資源のコラボで誘客を仕掛ける

2015.04.01岩手県

Ingressと地域の魅力が融合したイベント

―異例の対応をどう思いましたか?

:この取り扱いには大変感謝しています。それに応えたいと思いました。
 そこで当初は計画にありませんでしたが、研究会のメンバーで出されていたさまざまなアイデアを試すようなイベントを模索しました。研究会だけの盛り上がりで進めるのではなく、地域の人たちを巻き込めたらいいのではないか。例えば商店と組んでIngressにちなんだ商品を販売する、盛岡でIngressを楽しむコミュニティに協力を求めて新しい楽しみ方を共有する、県外の人を呼び込むための目玉となるような地元イベントとコラボするなどです。

 それを形にして、盛岡の冬のイベント「もりおか雪あかり2015」の開催日と合わせ2015年2月14日のバレンタインデーに「ポータル大量発生感謝!ハック&キャンドルin盛岡」を実施することにしました。
 11月のイベント成功により、新聞やインターネットでは、岩手県とIngressを結びつける話題が多くなりました。この状態を維持させようと次の情報発信を急ぎました。そこでイベント開催の告知は12月1日に行い、詳細決定は後まわしにすると決めました。

「ポータル大量発生感謝!ハック&キャンドルin盛岡」交流会
「ポータル大量発生感謝!ハック&キャンドルin盛岡」交流会

―インターネットの生配信サービス「ニコ生」でイベント発表をしたのはなぜですか?

:岩手県は、インターネットのニコニコ動画(動画共有サイト。匿名でコメントが付けられる)で知事がメインパーソナリティの「いわて希望チャンネル」という生放送を行っています。ニコ生でPRし、話題がソーシャルメディアなどで広がることを期待しました。クリスマスイブに放送予定があったので、バレンタインデーのイベントPRには最適だと思い発表しました。

いわて希望チャンネル
いわて希望チャンネル

―参加者や地域の人の反応はいかがでしたか?

:2月14日のイベントも予想を超える160名が集まりました。県外からは約40名で東京からの参加者もいました。
 特に「リアルわんこ」はIngressと同様に青チームと緑チームに分かれてわんこそばを競い合うもので、非常に盛り上がりました。実施してくださったわんこそばの老舗「東家」は、地域振興にも関心をお持ちで、今回のイベントも趣旨を伝えると承諾していただきました。

Ingressと同様に青と緑のチームに分かれて競う「リアルわんこ」
Ingressと同様に青と緑のチームに分かれて競う「リアルわんこ」

 :他にも前回のイベントで好評だった街歩き第2弾「盛岡再発見街歩き」、Ingressのミッション機能(設定された一連のポータルなどを順に攻略する)を使い謎解きをしながら盛岡市内の観光を楽しんでもらう「南部利直隠し財宝事件」など、初心者から上級者まで楽しめるようにしました。
 またバレンタインデーだったので、参加者が協力してハート形のフィールドアート(陣地の形で描いた絵)を浮かび上がらせるなど、さらに盛り上げてくれました。

 このイベントでは文化地層研究会、ゲームコミュニティIngress Iwate Japan、岩手県立大学ソフトウェア情報学部菅原研究室、Iwate Game Factoryなどさまざまな人たちと連携し協力をいただいたことが一番の収穫ではないでしょうか。

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